70歳までに老人ホームについて考えておきたいポイント

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高齢者になると老人ホームの利用について考えるようになることが多いでしょう。いつ頃からどのようにして利用していくのが良いのかと悩むことがよくありますが、大まかな目安として70歳までにはしっかりと考えておくのが大切です。

その理由や考慮すべきポイントについて紹介するので、シニアライフの計画を立ててみましょう。

70歳までに考えるべき理由

老人ホームの利用の仕方について70歳までに考える必要があるのは、一般的な傾向としてこのくらいの年齢で老人ホームの入所を検討し始めることが多いからです。

あるいは老人ホームのお世話にはならず、自宅介護を選んで家族による介護を受けたり、訪問介護サービスを利用したりする場合もあります。60歳か65歳で定年退職を迎える頃までは元気いっぱいだった人も、仕事をやめてしまって何となくやることがなくなってしまうと頭も身体もあまり使わないので衰えが急速に進行してしまいがちです。

それが蓄積してきて介護が必要になり始める時期が60代の終わり頃で、急速に老化が進行してしまうと70歳くらいで通所ではなく入所を検討する必要が生じてきてしまいます。入所しなければならないような状況になると思考力も低下している場合が多く、人によっては認知症やアルツハイマー病などになってしまっていることもあります。

すると自分ではどうすべきかが判断できなくなってしまい、入所するのが良いのか自宅で介護してもらうのが良いのかもわからなくなるでしょう。そうなってしまう前に自分は老人ホームの利用についてどうしたいのかを明確にし、家族とよく話し合いをしてどんな使い方をしていくのかを決めておくのが良い方法です。

それが自分自身にとっても家族にとってもプラスになります。

老人ホームの利用方法の選択肢

老人ホームには養護老人ホームや有料老人ホーム、グループホームに加えて、介護老人保健施設やデイケアセンターなどの色々な種類があります。一般的には老人ホームというと入所型のサービスですが、通所でも利用できるようになっていることも少なくありません。

まずは通所で利用したいのか、通所するぐらいなら自宅介護が良いのかを考えるのが良いでしょう。その次の段階として入所するのか、自宅で介護を受けたいのかというのが考えるべきポイントです。自宅介護を希望する場合には家族による介護なのか、訪問介護サービスを利用するのかも考えなければならない点になります。

このような幅広い選択肢があるので、希望を明確にして家族と協議してみましょう。

家族との協議が重要な理由

自分はこういう形でシニアライフを送っていきたいというのを決めたら、家族にはそれを伝えれば十分ではないかと思うかもしれません。しかし、70歳以上になってからは自分が想像していたよりも自分自身のコントロールが効かなくて困ってしまう人がほとんどです。

家族に介護してもらうと決めていたとしても、かなり家族にとっては重荷になってしまうことがよくあります。逆にもう70歳以上になってから介護が必要になったらすぐに入所したいというのも経済的に負担になることも稀ではありません。

年金で十分に費用を賄えるのであれば問題ありませんが、医療費もかかる場合には家族に負担を強いなければならないこともあります。このような兼ね合いがあることを考慮して家族の意見もきちんと聞いておくのが大切です。

家族が負担になるから入所して欲しいと考えているのか、まだ通えるうちから通所で老人ホームに慣れて欲しいのか、自宅介護をしたいと思っているのかを聞いてみましょう。協議をして全員が納得できる落とし込みをするのが円満な家庭生活を続けることにつながります。

ひいてはそれが老化防止にもつながるので重要なポイントです。

通所や入所の場所を考えておこう

老人ホームを利用する方針で決まったら70歳になる前の元気なうちにどの施設を利用したいのかを考えておきましょう。どの地域でも老人ホームは混み合っていてすぐには利用できない傾向があります。通所のサービスの場合には対応できるケースが多いものの、入所になるとベッドが空いていないと対応できないので注意が必要です。

要介護度の高さによって入所の優先順位が決まる仕組みになっている施設が多いため、実際には80代や90代の人ばかり入所しているケースが多くなっています。それも加味して通所で利用したい施設、入所で候補にしたい施設をリストアップしておき、優先順位を付けるのが良い方法です。

もし認知症で判断が難しくなったとしても家族に託しておけば問題ありません。既に要支援以上の認定を受けている状況ならケアマネジャーに相談して候補を決めておくのも良いでしょう。地域ごとに施設の空き具合がどうかを考慮して候補を挙げてもらうことができます。

シニアライフを充実させて老化を防止しよう

老人ホームを利用する前提で話をしていると目の前がだんだんと真っ暗になるような印象を持ってしまうかもしれません。しかし、現代日本では80代どころか90代になっても介護を受けずに自立的に生活している高齢者もいます。

早い人は60歳前後で寝たきりになってしまっていますが、かなり高齢になってもシニアライフを楽しめるケースも多いのです。特に重要なのがシニアライフを充実させることで、仕事をしていたとき以上に色々なことに積極的に取り組むようにしましょう。

新しいことに取り組む刺激は老化を予防するのに効果的なことが知られています。アルバイトで違う仕事をしながら生活費の足しにしたり、働いているときにはできなかった趣味に取り組んだりしてみましょう。それによって70歳になっても介護の必要など全くなく、老人ホームを利用するのはしばらく先の話にできることもよくあります。

老人ホームを利用するときの方針を家族で取り決めておくのが大切なのに違いはありませんが、決めたとしてもシニアライフを充実させて老化を防止するように心がけ、自分も家族も満足できる生活を送れるようにしましょう。

老人ホーム利用の計画を立てつつ老化防止も心がけよう

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定年退職の影響で仕事をしなくなると急激に老化が進んで介護の必要が生じてしまいがちです。70歳前後に問題になることが多いので、それ以前に家族で協議して介護の方針を決めておきましょう。ただ、シニアライフを充実させることで老化防止をするのも重要です。

老人ホームを利用する計画を立てつつ、色々なことに取り組んで元気なシニアライフを送っていきましょう。